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【特設コンテンツ】新渡戸記念の臨床研修


ページ内目次


~全国の医学生のみなさんへ~

ごあいさつ

副院長/内科部長/
消化器内科部長/臨床研修責任者
山根 道雄

日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本肝臓学会肝臓専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会
消化器内視鏡専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
新型コロナウイルスが3年以上未だ終息せずに病院見学がままならないなか、来年からの研修先をどう選べばよいか、悩みや迷いの多い日々を過ごされていると思います。そこで当院では臨床研修について、まずはホームページ上で少し踏み込んだ提示をさせて頂くことに致しました。研修先の選択肢の一つとして、ご参考になれば幸いです。メールでの御質問は随時受け付けていますので、下記までお問合せ下さい。
(文責 山根 道雄)
お問い合わせ先はこちら

病理解剖とCPC
ー医師としての総合的な能力を高めますー

病理診断科部長
北川 昌伸

日本病理学会病理専門医・指導医
日本病理学会分子病理専門医
日本病理学会前理事長
東京医科歯科大学名誉教授・副学長
医師臨床研修制度では、CPC研修(CPCへの症例呈示とレポートの提出)が必修とされています。臨床研修のCPC(臨床-病理検討会:Clinico- Pathological Conference)では病理解剖(剖検)例を対象としています。病理解剖は不幸にして病気で亡くなった患者さんに対して,疾病の原因・本態,病名,治療効果判定の究明のために行う解剖で、CPCは患者さんの診療に当たった臨床医と、病理診断を行う病理医を含めた医療スタッフが集まり、症例検討を行う会です。このCPC研修は一人の人間の全身臓器にみられる様々な病態をどのように考えるかを実際の剖検の結果から学ぶためのものです。病理解剖で得られた所見に早く気が付いて適切な治療をしていれば死に至ることはなかったのではないか、そのために何をしたら良かったのか、なども振り返りながら検証していくことになり、総合的な臨床力を高めることに大いに役立つものと考えられます。
また、病理解剖・CPC研修を通じて医師としての倫理観や人間性を醸成することもできると考えています。病理解剖を行う前にはご遺族にご遺体を解剖させていただくことを承諾していただかなければなりません。それはご遺族のみならず担当医にとってもストレスのかかることかもしれませんが、ここを乗り越えることで、ご遺族の気持ちに応えるためにもその剖検からできるだけ多くを学び取らなければならないという考えが生まれ、医師として人を思いやる気持ち、さらに症例から学ぶ真摯な態度を育成することにつながるものと考えられます。
 当院では、臨床研修医の皆様に剖検に立ち会っていただき、CPCの症例提示や論点整理を含めた詳細な検討さらには司会等の運営にも積極的に加わっていただくことを進めており、非常に有益かつ内容の濃い研修ができるものと確信しています。是非、当院のCPC研修を通じて医師としての高い見識と知識レベルを身に着けていただけると幸いです。

2

医師の勉強は一生続く
ー内科の研修についてー

血液内科部長/臨床研修担当部長
秋山 秀樹

米国内科専門医
米国血液内科専門医
日本内科学会内科指導医
日本血液学会血液専門医

受け持ち患者さん―患者さんから学べ―

Observe, record, tabulate, communicate. Use your five senses. Learn to see, learn to hear, learn to feel, learn to smell, and know that by practice alone you can become expert.

救急外来、あるいは新患外来などで受け持った患者が入院となった時点でその担当医となります。上級医(主治医)には患者の疾患に応じて専門分野の医師が割り振られ、その医師とともに退院まで受け持つこととなります。日ごろ複数の上級医と連携しなければならないという問題はありますが、短期間でいろいろな疾患を経験できるメリットもあります。
上級医により、また疾患により、指導の方法も異なり、24時間、手取り足取りの指導は行われていません

朝会(8:00-8:45 AM)
―知識が血となり肉となるように―

He who studies medicine without books sails an uncharted sea, but he who studies medicine without patients does not go to sea at all.

日常業務で経験をつむ一方、朝の会では頭を使う訓練をしています。症例を使う会では、症例のプレゼンを通して、鑑別診断を検討しています。さらに年の後半では対応、治療に話を広げるようにしています。朝会では知識を得るための座学のようなものは行いません。知識はそれぞれが個別に調べ、頭に入れることとしており、朝会ではその知識をいかに使い、自分の血とし、肉としていくかというプロセスのためのヒントを得る場と考えています。時期にもよりますが、神経内科、循環器内科の医師も同席してコメントを頂くのみならず、必要あればベッドサイドに出かけて検討することもあります。
また、週に一度、NEJMのCPCを読むようにしていますが、これは医学英語の「音」を勉強するためのもので、発音を重視しています。日本語英語のために、聞いてもわからない、言ってもわかってもらえない事が少しでも減るようにというのがその目的です。

臨床研修秋山カンファ(火、金8:00)

NEJM Case (水 8:00)

内科講義(水曜 17:00- )
―知識は自分で学ぶもの―

週に一回、30-45分ほど使って、座学での講義を各科の医師が行います。内容はさまざまですが、臨床に基づいたものとなります。

内科水曜カンファレンス

The practice of medicine is an art, based on science.
お互い、がんばりましょう


3

常に広く(総合内科)、時に深く(脳神経内科)

脳神経内科部長/脳卒中科部長
融 衆太

日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本神経学会指導医
日本神経学会神経内科専門医・指導医
日本認知症学会専門医・指導医
中野区認知症アドバイザー医制度運営委員会委員
認知症サポート医
メッセージ 『実力をつけたいと思う先生たちを、全力で応援します!』
脳神経内科部長/脳卒中科部長 融 衆太:
常に広く-Common diseaseをたくさん診よう-:当院は地域に密着した急性期病院です。身近にいて何でも診てくれるプライマリー・ケア医としての役割も担います。外来、救急外来に来られる患者さんの多くは、肺炎、腹痛、発熱など日常的に高頻度で遭遇する疾患です。このような患者さんを断らずに受け入れているので、様々な問題に、自信をもって対応できるようになります。それを可能にしているのは、subspecialty間の垣根の低い当院内科の体制です。症例ごとに指導医がつき一緒に担当しますが、それ以外の専門領域の意見も気軽に聞けるので、多角的に学んでいくことができます。

時に深く-気づきを深めよう-:こうした様々の患者さんの中に、典型例には認めない症状や所見を見出すことがあります。それに気づき、詳細を明らかにして対処するのが臨床ですが、新知見として学会や論文発表につなげる努力もしています。こうした例は大学などの大病院に集まっている訳ではなく、当院の現場にもあふれています。それを洞察できる臨床力を磨くだけでは不十分で、発表するまでが研修の目標と位置付けています。
研修医2年目 川畑 有紗(内科系志望):
1年目で6か月間(担当60例, 担当患者6-10人/日)、2年目に6か月間研修する内科では月5回の当直、日勤帯の救急当番でファーストタッチした患者さんを退院まで担当します。特に脳神経内科は専門医数・症例数が多く、都内市中病院の中でも群を抜いて様々な疾患を経験できるので、脳神経内科志望の研修医が毎年在籍しています。内科では各専門分野を細分化せず、内科全般として研修しますが、各診療科の風通しが非常に良い当院だからこそ、1人の患者さんから横断的に数多くを学ぶことができ、内科専門医試験で求められる広い領域をカバーできます。またご高齢の患者さんを対応する機会が多い当院では、3年目以降にどの診療科を選択しても必要な内科の総合力を養うことができます。当院は2次救急病院でありICUも無い為、大学病院で診療するような最重症症例に出会うことは少ないですが、一般的な重症例を担当することは多々あります。また平日休日問わず担当患者さんのお看取りの際に立ち会うことを研修目標の一つにするなど、誠実さを大切にする院内の雰囲気も感じ取れます。担当医としての責任感と自発性を重んじながら、決して忙しすぎない当院の内科研修は、都心で自分のペースを崩さずに研修を行いたい方におすすめです。
研修ローテーション
1年目
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
外科 麻酔科 内科
2年目
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
内科 麻酔科 放射線科 内科 皮膚科 精神科 地域 内科

4

目指そう! 患者さんの一生に寄り添える医師

腎臓内科部長
野田 裕美

日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本透析医学会透析専門医・指導医
日本腎臓学会評議員・腎臓専門医・指導医
メッセージ 『 たくさん経験して、患者さんに寄り添える医師になれるように
       頑張ってください。』

腎臓内科部長 野田 裕美:
当院の腎臓内科は7名(専門医4名、指導医3名)と中規模病院にしては大所帯で指導体制も充実しております。また年間入院症例数は735名と十分な症例経験を踏むことができます。また近隣に人工透析クリニック(45床、透析患者132人)を併設しており、腎不全の方をただ透析クリニックに紹介するだけではなく、透析導入後の経過も十分にみることが可能です。透析患者さんは合併症により何度も入退院を繰り返すことも多く、患者さんの一生に寄り添うことができます。
腎疾患から総合内科に拡がる当院の診療スタイルは、バランスのとれた専門医を育成するのに最適です。当院で初期研修を終えた穂坂先生が、我々のチームに加わったことは画期的で、今後臨床だけでなく研究へも繋がる場を当院で作れればと思います。
専攻医1年目(卒後3年目) 穂坂 伸吾:
救急病院である当院に救急科はなく、救急専任の研修期間もないのは意外でした。しかし、救急科で初期治療が開始された患者さんを入院担当として引き継ぐのではなく、自分が救急当番等でファーストタッチした患者さんを初期治療~入院~退院、時に看取りまでお世話する体制は、むしろ研修には良いと思うようになりました。いつでも内科、外科の専門医に相談しながら、様々な経験を積むのですが、私の場合は2年間で内科114例の退院サマリ―をまとめ、総合内科専門医の症例数を稼いでいます。3年目以降の専門研修先もいろいろと迷いましたが、総合内科的な経験を更に積みながら、専門研修へつなげられる当院の中で腎臓内科を選びました。院内で腎生検、透析導入、維持透析が完結した中で、その合併症まで総合的に診れる当院で腎臓内科医として、精進したいと思います。
研修ローテーション
1年目
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
内科 外科 麻酔科
2年目
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
内科 放射線科 耳鼻科 皮膚科 精神科 眼科 内科 放射線科 地域 内科

5

中野での研修を外科医を目指すキッカケにしましょう

副院長/外科部長
大野 玲

日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
消化器がん外科治療認定医
日本癌治療認定医機構暫定教育医
マンモグラフィー読影試験成績認定
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本乳癌学会認定医

メッセージ『市中病院の外科医の動きをよく観察してください。
     そして困っている患者さんの為に、一緒に働きましょう。』
副院長/外科部長 大野 玲:
6名の常勤外科医のうち5名が日本外科学会専門医で、年間 約600例(2019年度NCD実績より)の手術をこなしています。常勤医の内4名が内視鏡外科技術認定医を取得しており、ローテーションの先生にも、技術認定医の資格取得の機会が得られます。ICUや循環器外科は院内になく、対象例は近隣への紹介となりますが、それ以外の消化器、呼吸器、乳腺をひろくカバーする総合的な一般外科で、予定手術に加え緊急手術に迅速に対応しています。また、消化器内視鏡の処置も主に外科医が行なっています。必修の2ヶ月の外科研修は、これらの手術の助手や術前、術後の病棟業務が中心です。そのおわりには腹腔鏡下虫垂切除術を術者として担当してもらい、外科研修の総括としています。細分化した外科領域が集まる大病院での研修とは異なり、当院の外科研修は手先と身体を動かす仕事を毎日こなすことが好きな人向けの研修で、希望すればより多くの手技の機会も得られます。
研修医2年目 佐治 ひな子(外科系志望):
たくさんの手術例を比較的少数の外科医の先生方がテキパキとこなしている現場で、そのチームの一員として、様々な手術に接することができます。指導医との回診は毎日で包帯交換、中心静脈のカテーテル挿入、化学療法のポート穿刺などをしながら、立ち会った手術後の変化を直接感じるのは、内科とは異なる経験です。腹腔鏡手術では、研修医がカメラを持ち、手術の流れを把握して次はどこを見るのか自分で考えながら積極的に参加できます。研修の最後には術者として腹腔鏡下虫垂切除術を執刀する機会が与えられ、外科医としての達成感も体験できます。その手術を支える麻酔科の研修は3カ月間で、100例の全身麻酔と導入時の気管内挿管、20例の脊髄麻酔を経験できます。
研修ローテーション
1年目
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
内科 麻酔科 外科
2年目
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
内科 放射線科 内科 産婦人科 地域 泌尿器科 内科