グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  診療科・部門紹介 >  診療科 >  内科 >  腎臓内科

腎臓内科


当科は地域に密着した腎疾患・透析高度医療を担っています。 
 腎臓内科常勤医師7人体制で全ての腎疾患に対応しています。正確な診断に基づき個々の患者さんに合わせた適切な医療を提供しています。
 日本の透析医療の黎明期からの歴史があり、長年にわたり日本腎臓学会認定教育施設および日本透析医学会認定施設として専門医育成にも力を入れており腎疾患・透析治療に関して高い評価を受けています。

当科の主な診療内容

① 蛋白尿・血尿、腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症など多彩な腎臓疾患、急性腎障害、慢性腎臓病、さらに進行した慢性腎不全などにおいて腎不全進行阻止のための最新の治療法を加えた多角的な強化療法を行っています。特に当科では腎生検を積極的に行っており正確な診断に基づく適切な治療を行っています。
② 腎不全患者様に対しては透析導入から通院維持透析、合併症による入院治療など途切れることのないトータルで継続した治療を行っています。
③ 血漿交換、血漿吸着、血液吸着、持続血液浄化療法などの多様な血液浄化療法により重症患者さんの救命を行っています。
④ 透析用内シャントの狭窄に対して当科では血管内治療を積極的に行っています。

患者さんへ

次のようなとき腎臓内科を受診してください。
① 健康診断で蛋白尿や血尿などを指摘されたとき。
② 足や顔にむくみが出たとき。
③ 腎機能が悪い(血清クレアチニン値が高い)といわれたとき。
血圧が高いとき。
糖尿病の治療中に腎臓が悪いといわれたとき。
⑥ 腎臓に多くの嚢胞があるといわれたとき。
透析が必要といわれたとき。
⑧ 透析に伴う合併症を生じたとき。

慢性腎臓病(CKD)検査教育入院プログラムについて

 国内の成人の8人に1人は慢性腎臓病 (CKD)患者となっています。多くは自覚症状がなく本人が病気であることを気がつかないうちに悪化してしまいます。腎臓病が進行すると心筋梗塞、脳卒中、がんなども発症しやすくなります。さらに腎臓の機能が廃絶すると、人工透析や腎臓移植が必要になります。慢性腎臓病は最近特に注目されています。その理由は治療が可能になってきたことにあります。さらに早期にみつけることができれば治療がきわめて有効です。健康診断などで検尿異常や腎機能異常を指摘されたらまずは受診をおすすめします。
 当科ではCKD検査教育入院プログラムを行っています。期間は1週間前後です。腎機能を悪化させている原因を明らかにして治療を行い、さらに、看護師、薬剤師、栄養士と協力して具体的な指導を行っています。腎臓病との付き合い方を習得するための充実した資料も用意しています。

医療機関の先生方へ

当科では腎生検なども積極的に行っており正確な診断に基づき適切な治療を行っています。
進行した慢性腎不全の患者様に対しては、強化治療を進めて透析の回避を目指しています。最新の治療法を加えた薬物療法と食事療法、さらに合併症対策を複合した多角的な治療を行っています。

特に下記の場合は腎障害進行が早いため腎臓内科併診をぜひお勧め致します。
蛋白尿
→尿蛋白/尿Cr比0.5g/gCr以上
  または2+以上
尿蛋白+かつ尿潜血+
尿潜血2+
eGFR 50ml/min/1.73㎡未満
画像異常(多発性嚢胞腎など)
血圧コントロール困難

上記にあてはまらなくても腎疾患が疑われる患者さんがいらっしゃいましたらご紹介下さい。
月曜日から土曜日まで毎日腎臓内科常勤医師が外来に出ています。紹介状はデータと処方内容を同封いただければ簡単で結構です。
急性期であれば入院治療を含め当科で精査加療し落ち着いてから、有効な治療内容を個々の症例に合わせてご報告致します。
腎疾患が進行していた場合には当科併診を継続させていただきます。併診となった場合にはCKD医療連携ノートを使用しています。
 また、透析患者さんにおいては内シャントが狭窄を生じて透析が困難になることがあります。当科ではエコー下での経皮的シャント拡張術 (PTA)を積極的に行っています。これによりシャントを長期間使用することが可能になります。PTAは短時間に治療ができるため、シャント再作成に比べ、身体面の負担も少ない治療です。また、内シャントを長期間使用するためには狭窄の早期発見と治療が有効です。当科では内シャントの評価を定期的にエコーで行っています。透析患者さんで穿刺困難、脱血不良などありましたらぜひご相談ください。


腎臓内科外来担当表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
午前 野田 裕美 松永優里恵 佐藤英彦 佐藤恵子 穂坂伸吾 山村あゆみ
午後 千田佳子 佐藤英彦

新渡戸記念中野総合病院腎臓内科・腎センター
日本腎臓学会認定教育施設
日本透析医学会専門医制度認定施設
東京都区部災害時透析医療ネットワーク正会員施設

スタッフ

野田 裕美(Researchmapのページ) Yumi Noda
腎臓内科部長、医学博士、東京医科歯科大学臨床教授
日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本内科学会認定指導医
日本内科学会関東地方会幹事
日本透析医学会透析専門医、日本透析医学会指導医
日本腎臓学会腎臓専門医、日本腎臓学会指導医、日本腎臓学会評議員
多発性嚢胞腎協会PKD認定医

佐藤 恵子 Keiko Sato
中野クリニック所長、医学博士
日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本内科学会認定指導医
日本透析医学会透析専門医、日本透析医学会指導医
日本腎臓学会腎臓専門医、日本腎臓学会指導医

佐藤 英彦 Hidehiko Sato
腎臓内科主任医長、東京医科歯科大学臨床教授
日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本内科学会認定指導医
日本透析医学会専門医、日本透析医学会指導医
日本腎臓学会専門医、日本腎臓学会指導医
インフェクションコントロールドクター(ICD)

松永 優里恵 Yurie Matsunaga
腎臓内科医長
日本内科学会内科専門医

穗坂 伸吾 Shingo Hosaka
腎臓内科医員
日本内科学会内科専門医

山村 あゆみ Ayumi Yamamura
腎臓内科医員
日本内科学会内科専門医

中野クリニック
千田 佳子 Yoshiko Chida
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本透析医学会専門医、日本透析医学会指導医
日本腎臓学会腎臓専門医、日本腎臓学会指導医

主な疾患

腎炎、ネフローゼ症候群

 腎臓の中の糸球体という装置で血液から尿が作られますが、この糸球体に炎症が生じて血尿や蛋白尿を生じ、進行すると腎臓機能が低下する疾患です。その中で特に尿蛋白量が多く認めるもの(1日3.5g以上)をネフローゼ症候群といいます。腎生検によって確定診断を行い、治療法を決定します。治療法としては、食事療法に加え、抗血小板薬、抗凝固剤、レニンアンギオテンシン系阻害薬、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤などを使用します。
 特に多いのがIgA腎症ですが、自覚症状がないままに進行して約40%の方が20年で末期腎不全になり、透析や腎移植が必要となってしまうものです。適切な時期に診断すれば治療が可能な疾患です。当科では耳鼻科との連携により、扁桃腺摘出+ステロイドパルス療法を積極的に行っています。
主な疾患名
IgA腎症、紫斑病性腎炎、溶連菌感染後急性糸球体腎炎、微小変化型ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬化症、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、ループス腎炎など。

常染色体優性多発性嚢胞腎 (ADPKD)

 常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は腎臓に液体の詰まった袋(嚢胞)が多数できる遺伝性の疾患です。年齢とともに嚢胞が増大することで腎臓の機能が悪くなります。日本では透析が必要な末期腎不全になった方で原因疾患が診断されている方のうち第4位がADPKDです。40才代までは無症状であることが多いのですが、70才までに約半数の方が透析が必要な末期腎不全になってしまいます。遺伝性の疾患ですのでご家族にいらっしゃればぜひエコー検査などをお勧めします。
 当科ではADPKDに対するトルバプタンによる治療を行っております。この治療により嚢胞増大および腎機能低下速度を抑制することができます。

糖尿病性腎症

 透析が必要な末期腎不全になってしまう原因疾患で最も多いのが糖尿病性腎症です。血糖が高い状態が長期間続いて糖尿病性腎症が発症します。しかし、一度腎機能が低下し始めると急速に悪化してしまいます。尿蛋白が多くむくみを生じやすいという特徴があります。尿検査で微量アルブミンを測定することで早期に診断することができます。治療としては血糖や血圧を適切にコントロールすることが重要です。さらにレニンアンギオテンシン系阻害薬が特に有効です。

高血圧性腎硬化症

 高血圧が長く続くと、腎臓の血管の動脈硬化が進み、さらに、腎臓の中の糸球体に血液を送る動脈に高い圧がかかることで血管の障害が進み血流が不足し糸球体が傷害され、腎臓の機能が低下してしまいます。また、腎臓が悪くなるとさらに血圧が上がり悪循環を作り出してしまいます。治療は適切に血圧をコントロールすることです。高すぎても低すぎても腎機能が悪化してしまうので血圧測定を継続して適切な治療を受けることが重要です。

膠原病に伴う腎疾患

 全身性エリテマトーデス(SLE)、血管炎、強皮症、関節リウマチなどの膠原病ではしばしば腎臓も障害されます。治療法としては副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤のほか血漿交換なども行います。